子どもが大きくなり、将来、家から出ていくのかなと思うと心配…不安になってしまいます。
どうしたらいいのでしょうか?
こういった悩みにお答えします。
親子の仲がよいことは、好ましいことです。
最近は、「友だち親子」という言葉もあるくらい、以前とは親子の関係性が変わってきていますよね。
仲がよいとはいっても、度が過ぎてしまうと、おたがいに依存した関係になってしまう危険があります。
おたがいに依存しあった関係を「共依存親子」といいます。
共依存親子とは、親は子どものために行動し、子どもは親がめんどうを見るのが当たり前という関係です。
依存しあっている親子は、本人たちに自覚がありません。
結果、依存した関係から抜け出すことが、むずかしいのです。
ここでは、共依存親子の特徴や共依存することのリスクについて分かりやすくまとめました。
また、依存しあった親子関係から抜け出すための方法について、解説します。
この記事を読んで、親子関係を見直すきっかけになればと思います。
「友だち親子」と「共依存親子」のちがい
最近は、仲がよい親子が多いですよね。
中学生になっても、目立った反抗期がないということもあります。
友だちのように何でも話し合い、仲がよい親子。
仲がよいということは、一見すると、問題がないように思えます。
ただし、「おたがいに依存しあっている親子関係」には注意が必要です。
友だち親子|おたがいに尊重しあう関係
親子でいっしょにお出かけしたり、たまにはケンカしたり。
おたがいに尊重しあっている関係は、「友だち親子」といいます。
なぜなら、親が子どもの考えや意思を尊重し、子どものことを信頼しているためです。
たとえば、子どもが学校に行ったあとに、親が忘れものに気づいたとします。
友だち親子の場合は、親は忘れものを学校に届けません。
親は、忘れ物がないように注意をしていなかった子どもの責任だとわりきることができます。
忘れものをして困るのは、親はありません。
子ども本人です。
学校に行く年齢になれば、自分の行動には責任をもつべきだと思っているためです。
子どもは、学校で忘れものに気づき、先生に注意されるかもしれません。
失敗したからこそ、子どもは、次から忘れものをしないように、準備するようになるでしょう。
さまざまな体験をとおして、子どもは自分で考えて行動できる力を身につけていきます。
宿題をする、しないということも子ども自身の問題です。
ついつい、子どもに聞きたくなりますが…ぼくも、なるべく口を出さないようにしています。
共依存親子|おたがいになくてはならない関係
親も子も、おたがいにいなくては生活が成り立たない関係を、「共依存親子」といいます。
なぜなら、親は子どもに必要とされていると考え、子どもは親に何でもしてもらえると思っているためです。
同じように、子どもが学校に行ったあとに、親が忘れものに気づいたとします。
共依存親子の場合は、親は、忘れものを学校に届けに行きます。
親は、忘れものをして困っている子どものことが心配のあまり、行動してしまうのです。
忘れものがないように、わたしが次の日の準備を手伝ったり、チェックしたりしています…
そのうち、子どもが忘れものをした場合には、「手伝ってくれなかった親が悪い」と言い出すようになるでしょう。
親は、子どものためにと、行き過ぎた世話をしてしまうのです。
「子どものために行動すること」で、親は満足感や安心感をえます。
子どものためではなく、自分のためなのです。
反対に、親が手を出しすぎるあまりに、子どもは誰かにしてもらうことが当たり前と思うようになります。
子どもは自分で考えて行動する力が身につかないまま、成長します。
親に依存したまま、大人になってしまう可能性があります。
共依存親子は、「母親と息子」というケースが多いようです。
「父親と娘」というケースは、珍しいですね。
共依存している親子の特徴
おたがいに依存しあっている親と子どもには、特徴があります。
また、共依存している場合は、子どもにとってあまりよい影響あたえません。
リスクが大きいと言ってもいいでしょう。
共依存している親の特徴
共依存している親は、子どもに必要とされることで自分の価値を見出しています。
自分のことは後回しにしても、子どものことが最優先。
子どものために行動し、世話をすることで、自分は子どもに頼られる存在だと思っています。
親は、『子どもはひとりでは生活できない』と思いこんでいます。
そのため、自分が子どものめんどうをみなければと決めつけているところがあるのです。
また、子どものためにと思うあまりに、『こうしたほうがいい』と親の価値観を押し付けることも出てくるでしょう。
子どもの行動までも管理し、コントロールしようとします。
子どもに依存するが当たり前になってくると、親は、子どもがいなくなることを受け入れられません。
子どもがいなくなると、親自身の存在価値がなくなってしまうためです。
大きくなるにつれて、子どもの生活や友だち関係にまで干渉するようになります。
親の目が届かなくなる分、管理したくなってしまうのです。
共依存している子どもの特徴
共依存している子どもは、親が何でも世話してくれる生活が当たり前です。
何でもやってくれる親がいなくなると、子どもひとりでは何もできません。
子どもは、親のアドバイスにしたがって行動することに、すっかり慣れてしまっているのです。
困ったことがあると、相談するのは親。
子どもが一番頼りにしているのも、親だけです。
親が決めてくれるので、自分から何かをやろうという考えをもつことができなくなります。
親に依存するが当たり前になってくると、子どもは親がいなくなることを受け入れられません。
親がいなくなると、子どもは自分の生活が成り立たなくなってしまうためです。
共依存親子のリスク|子どもが依存から抜け出せず自立できない
共依存している親子の最大のリスクは、子どもが自立できないということです。
共依存の親子関係では、子どもの自立心が育ちません。
依存している子どもは、親とコミュニケーションをとれば生活が完結します。
親以外とコミュニケーションをとる必要が、あまりないのです。
結果、子どもは自分の力で人間関係を広げることができなくなってしまいます。
まわりの人とじょうずに付き合うことができなければ、社会生活でもうまくいかないことが多くあるでしょう。
なにか困難な状況になったとき、自分の力では壁を乗り越えることができないのです。
ますます、社会の中で生きづらくなってしまいます。
また、親が子どもの行動をコントロールしています。
共依存している関係から、子どもの力だけで抜け出すことはむずかしいのです。
子どもが自分の意思で行動することを、親がさせないためです。
共依存の親子は、子どもが自立できず、依存する関係からおたがいに抜け出すことができないことがリスクです。
こどもにとっては好ましいことではありませんね。
共依存を抜け出すためには自覚することが必要
共依存親子の問題でむずかしいのは、自分たち親子が「おたがいに依存している」ことに気づくことなのです。
おたがいに依存した親子関係であることが発覚しづらいのが、一番やっかいなところです。
依存している親は、自分の価値感が正しいと思いこんでいる傾向があります。
もしくは、疑問に思うことがないのです。
そのため、親自身が子どもに依存しきっているという自覚がありません。
自覚がないからこそ、子どもに依存する関係から抜け出すことができないのです。
依存している親が、自分のことを客観的に判断することはむずかしいものです。
家族(父親や両親)やまわりの人が、共依存している関係を指摘することがのぞましいです。
まわりから指摘されることで、親が子どもに依存していることが自覚できるようになります。
親が子どもに依存していることを認めるには、時間がかかるかもしれません。
もしかすると、ある程度大きくなった子どもが、ほかの親子関係とちがうことに気づくかもしれません。
子どもが、まわりに相談するという行動を起こすことができれば、発覚するきっかけになります。
共依存している親子は、埋もれてしまう危険がひそんでいます。
問題が発覚したときには、深刻な状況になってしまうことがあります。
自分たちの親子関係が不安だと感じているのであれば、ぜひとも冷静になって見直してほしいです。
共依存だと認識したあとの親の対処法:2つ
子どものことを想う気持ちは、とても大事です。
子育てにけん命になっているからこそ、子どものことが心配になるものです。
ただし、子どもへの想いを行動にうつすのではなく、少しだけガマンしてみましょう。
親は、自分自身の人生にも目を向けることも大切です。
子どもに依存しすぎているのでは?と不安に思っているのであれば、今からでも気持ちを切り替えていきましょう。
子どもはいつか親から離れるときがあります
子どもは、ずっと親の元にいるわけではありません。
親が、子どもの世話をずっとしつづけることもできません。
子どもには、子どもの人生があります。
子どもの人生は、子ども自身が決めていくものです。
子どもはいつか、経済的にも精神的にも自立して、親からはなれるときがくることを認めましょう。
子どもが親から離れたとはいっても、決別するわけではありませんよ。
親は、子どもが離れることでさみしい気持ちになるでしょう。
母親であれば、子どもへの想いもひとしお、ぽっかりと心に穴が開いてしまいます。
反面、子どもが自立できたことは喜ばしいことでもあるのです。
子どもが、自分の人生を自分の力で歩むことができたということです。
親は、子どものめんどうを最後まで見ることはできません。
そのためにも、親から離れることは、子どもには必要だということを受け入れなければなりません。
子どものことを想うのであれば、親は、子どもが自分で生きていく力をつけることができる関係を築いていきましょう。
子どもの自立のために行動しましょう
「こうすることは、子どもの自立のためになるのか?」
子どものことを想って行動する前に、考えてみてください。
もちろん、親が手を出したほうが、子どもは失敗なくスムーズにこなせるでしょう。
もう一度、立ち止まって考えてみましょう。
失敗しないことは、子どもにとってはプラスになることでしょうか?
子どもの成長には、失敗することも必要です。
失敗した経験から、学ぶことがたくさんあるからです。
もちろん、成功することで自分の自信につながることもあるでしょう。
ただし、自分は何もせずに、親が手を出して成功しても、子どもの自信にはつながりません。
子どもが自分で考えて、行動することが大切です。
失敗しても、成功しても、子どもが考え、判断し、行動するというプロセスが自立につながるのです。
親はおおらかに構えて、子どもを見守るスタンスに切り替えていきましょう。
子どものことを想うのであれば、干渉したい気持ちを抑えるように心がけていきましょう。
口を出したくなる気持ちも分かります。
でも、親はガマンすることが必要ですよ!
まとめ
共依存の親子関係をつづけることは、おたがいにとってのぞましい結果にならないことがあります。
依存した関係に自覚がないまま、子どもが大人になってしまうと深刻な状況になりがちです。
ただし、親が子どもに依存しているということに気づくことがむずかしいです。
子どもとの関係に不安なことがあれば、冷静にふり返ってみてください。
悩んでいるのであれば、まわりの人に相談することもおススメします。
子どもが自立することの大切さを分かってもらえると、うれしいです。
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