「子どもには、将来的に自立してほしい」と思って育ててきたのに…
いざ、子どもが家を出てしまったら、さみしくて仕方がないです。
自立して家から離れてしまった子どものことが、心配でたまりません。
私はどうやって、毎日を過ごしたらいいのでしょうか?
こういった悩みにお答えします。
子育ての目標となるのは「子どもの自立」
親は、子どもは自分の夢に向かって巣立ってほしいと思いますよね。
でも、子どもが親もとからはなれ、巣立っていくわが子を見送ってしまうと、さみしさやかなしさが止まらなくなることがあります。
ついこの前、小学校に入学したような気がするのに…
まだまだ、いっしょに暮らせるかと思っていたのに…
子どもといっしょに過ごしてきた日々、子どもとの思い出は尽きないものです。
ここでは、子どもが自立したあとのかなしくて辛い気持ちから立ち直る方法についてまとめてみました。
また、「空の巣症候群」がどういったものか、空の巣症候群にならないようにするポイントについても紹介します。
子どもが自立したあとにさみしいのは当たり前のこと
◆ 子どもの自立がさみしく感じることを「空の巣症候群」といいます
子どもが親もとからはなれてしまうと、親は心にポッカリ穴が空いた状態になってしまうことがあります。
子どもがいなくなったという喪失感から、親の心が不安定になってしまうのです。
このようなことを「空の巣症候群」「子育てロス」といいます。
将来的には子どもが自立してほしい…と思いながら、子育てをしてきた親。
子どもが自立して、ほっと安心できるはずなのに、気持ちの切り替えが上手にできないことがあります。
生きがいを失ったようになり、どうしようもなくかなしくなるのです。
「空の巣症候群」になるのは、当たり前のことです。
子育てを一生けんめいにがんばってきたからこそ、子どもがいなくなったさみしさを感じてしまうのです。
◆ 「空の巣症候群」はこんな人がなりやすいです
- 子育てが生きがいになっていた人
- 子ども中心の生活を送ってきた人
- ストレスが発散できず、ためやすい人
空の巣症候群は、40代から50代の女性に多いといわれています。
ずっと子ども中心の生活を送り、子どもを大切にしてきた人がなりやすいようです。
子ども中心の生活や、子どもを大切に思うことは、親として当たり前のことです。
決して悪いことではありません。
子どもが自立したあと、さみしくつらい気持ちは、親であれば誰もが感じるものです。
さみしくつらい気持ちから、心も体も元気がなくなってしまう状態が長く続かないように気をつける必要があります。
◆ 「空の巣症候群」はこんな症状が出ます
肩こり、頭痛、吐き気、食欲不振、不眠、疲労感、動悸など
虚無(きょむ)感、無気力、自信喪失、さみしさ、不安など
※症状には個人差があります。
空の巣症候群は、40代から50代の女性に多く、更年期障害ともかさなる場合があります。
症状が長くつづくと悪化することもありますので、必要な場合は専門医に受診されることをおすすめします。
さみしくつらい気持ちから立ち直る方法:4つ
- さみしくつらい気持ちを吐き出すこと
- 仕事をする時間を持つこと
- 夢中になれることや楽しいことを見つけること
- 外出する機会を増やすこと
ひとつひとつ、くわしく説明していきます。
◆ さみしくつらい気持ちを吐き出すこと
さみしくつらいという自分の感情を受け止め、その気持ちを吐き出してみることですっきりします。
子どもが自立したあとに、さみしい気持ちになるのは当たり前のことで、恥ずかしいことではありません。
親であれば、誰でも感じるものです。
自分一人で、消化しきれない気持ちをかかえこむと、いつまでも引きずってしまうことになります。
夫、きょうだい、友達…誰かに自分の気持ちをぶつけてみましょう。
思いっきり、一人で泣くのもいいですね。
話し相手がいないのであれば、コミュニケーションツール(SNS)を使って発信する方法があります。
きっと、同じような境遇の人が見つかるはず。
話すことが苦手であれば、自分の気持ちを日記などに書き出してみる方法もよいかもしれません。
だれに見せることもないので、安心して、すなおな気持ちが書けるはずです。
かなしくつらい気持ちを一人で抱え込まずに、自分の感情を解放させてあげましょう。
自分の感情を無理やり、押し込めることが一番、好ましくありませんよ。
◆ 仕事をする時間を持つこと
仕事をする時間を持つことで、気をまぎらわすことができます。
仕事中は、余計なことは考えずに、仕事に没頭しているはずです。
仕事をしていない人は、仕事を探すところからはじめてみてもよいかもしれません。
短い間だけの派遣というはたらき方もできますし、今は、在宅でも仕事を始めることができます。
仕事をするために、資格試験の勉強はじめるのもいいですね。
何かに没頭する時間が増えることで、子どものことを考えない時間を増やすことができます。
◆ 夢中になれることや楽しいことを見つける
夢中になれることや楽しいことがあれば、さみしい気持ちも少しづつ和らいできます。
前からやってみたかったことに挑戦してみる。
思いっきり趣味にはまってみる。
映画鑑賞、スポーツ、旅行、食べ歩き、ハンドメイド、料理や楽器などの習い事。
「50の手習い」なんて言葉もありますよね。
自分が夢中になれることや楽しめることを、探してみましょう。
楽しいことは、時間が経つことを忘れてしまうくらいあっという間ということがありますよね。
今まで自由にならなかった時間を、自分のために使うことができます。
思いっきり楽しむことで、かなしい気持ちも忘れることができるようになります。
◆ 外出する機会を増やすこと
「そんな気分にならない」と思わずに、とにかく外に出てみましょう。
家の中に閉じこもってばかりでは、ネガティブな気持ちを切り替えることができません。
特に理由はなく、散歩するだけでもいいですね。
あたたかい太陽の光を浴びるだけでも、元気が出るものです!
散歩ついでに買い物をしたり、ふらりとカフェに寄り道したり。
外出している時間が長いほど、子どものこと思う気持ちからはなれることができます。
コロナ禍で自由に出かけることが難しいですが、計画を立てるだけでもちがいます。
自由に出かけることができるようになったときのために、「旅行の計画、飲みに行く計画、同窓会の計画」など。
計画を立てることに気持ちが集中するので、さみしさを忘れることができます。
立ち直るには、子どものことからはなれる時間を持つことが大事です。
子離れする準備を少しづつしておきましょう
- 子どもの成長とともに距離をおくこと
- 子どものことを信じること
◆ 子どもの成長とともに距離をおくこと
子どもの成長とともに一人でできることが増えたタイミングで、親は少しづつ子どもとの距離をはなしていきましょう。
子どもが小学校に入学したとき、中学校を卒業したとき…
タイミングを見ながら、親は子どもとの距離を少しづつとっていきましょう。
距離をとることで、子どもは自分の言動に自信を持つようになります。
親は口や手を出すことを少しづつ減らし、子どもが自分でできるよう、サポートする側に回るようするといいですね。
働き始めたり、結婚したり…と、子どもは子どもなりの人生を歩んでいきます。
こどもは、いつかは親もとからはなれるときが来ます。
子どもの自立は、親にとってはさみしいことではありますが、子どもが自分の人生を歩みだすことでもあります。
親もよろこんで、子どもの新たな出発を見送りたいものですよね。
それまでに、親は「子離れする準備」「心の準備」をしておくことが大事です。
親が過保護・過干渉すぎると、子どもの自立をさまたげてしまいます。
子どもとはある程度の距離は、成長とともに必要です。
◆ 子どものことを信じること
親もとからはなれる前から、子どものことを心の底から信じるように心がけましょう。
「あの子は、大丈夫かしら?」
「ちゃんとやれるかしら?」
子どものことを思うばかりに、心配や不安に思ってしまうことはたくさんありますよね。
大丈夫です。
きっと子どもは、失敗をくり返しながらも、自分で何とかする力がついています。
親が子どものことを信頼することによって、子どもは安心して自分が決めた道を進むことができます。
「遠くから子どもの新しい生活を応援している」という気持ちをもつことで、不安や心配を少しづつ感じなくなるでしょう。
親もとからはなれたあとは、子どもは自分の新しい環境で一生けんめい頑張っている、楽しんでいると考えるようになるといいですね。
子どもが自立したあとは自分の人生を楽しみましょう
子育てを頑張ってきたからこそ、子どもの自立をかなしくつらく感じてしまうのは当然です。
目の前からいなくなると、大事なものを失った気持ちになるものです。
ずっとかなしくつらい気持ちのままだと、毎日を楽しく過ごすことができません。
親の心や体が元気でないと、子どもにまで心配をかけてしまいます。
子どもの自立は、親が「人間として成長できるチャンス」です。
新しいことに挑戦したり、夢中になれることに時間を作ったり…
今までできなかったことができるようになり、時間にも気持ちにも余裕がもてるのです。
かなしくつらい気持ちは、ゆっくりと時間が解決してくれることがあります。
今すぐ、前向きな気持ちにはなれないかもしれませんが、時間をかけることによって少しづつ和らいでいくものです。
子どもが自立したあとも、親は「自分の人生」があります。
子どもも親が生き生きと暮らしていることで、子どもが安心して自分の生活を送ることができるのです。
子どもが自立したあとは、子ども中心の生活から、「自分中心の生活」という新しい環境になります。
人は、新しい環境に慣れる力、適応する力を持っているんですよ。
まとめ
子どもの自立は、さみしくつらい気持ちになりますが、喜ばしいことでもあります。
子どもが自立できたということは、それまで子育てを立派にされてきたということです。
親は自分の子育てに自信をもって、子どもを送り出しましょう。
さみしくつらい気持ちにフタをせず、思いっきり出し切ったあとは誰にも遠慮せずに、自分の新しい生活を楽しみましょう。
2021年6月現在の情報です。
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