兄弟・姉妹って仲がよいところもあれば、仲が悪いところもあるよね。
どうして、こんなにちがいがあるのかな?
兄弟・姉妹の相性が合わないのは、何か原因があるのかしら?
こういった悩みにお答えします。
小さいうちは、おもちゃの取り合いなど、ささいなことできょうだいケンカをしてしまいますよね。
「きょうだいケンカばっかりでうんざり。もっと仲よくできないかしら…」
「きょうだいなんだから、仲よくしてほしい!」
毎日ケンカともなれば、親は、将来のことを思ってしまい不安になってしまいます。
兄弟・姉妹とはいっても、それぞれ性格や好みにちがいがあるものです。
兄弟・姉妹の相性が合わない場合は、もしかすると、お互いに何か不満や嫌なところがあるのかもしれません。
ここでは、兄弟・姉妹の相性についてと、相性が合わない場合の原因と対処法ついてまとめてみました。
兄弟・姉妹にも相性があります
「兄弟・姉妹なんだから、仲がよい」というのは当たり前のことではありません。
兄弟・姉妹だから仲よくしてほしいと、親は思ってしまいます。
でも、兄弟・姉妹でもそれぞれ性格のちがいから、相性が合わないということがあります。
家の中でおとなしく、ひとりで遊ぶことが好きな姉
公園でたくさんのお友だちと走り回って遊びたい弟
ゲームをすることが好きな兄
本を読むことが好きな妹
それぞれ性格もちがえば、好みもちがいます。
同じ家の中で、同じ時間を過ごしていても、いっしょに遊ばないこともあります。
兄弟・姉妹で、性格や好みがまるっきりちがうことは、ありうることです。
無理に「兄弟・姉妹が仲よくしなければならない」ということはないのです。
兄弟・姉妹で相性が合わない原因は、子どもそれぞれの性格や好みのほかにも理由があります。
相性が合わないと考えられる原因別に、分かりやすく対処法を解説します。
- 相性が合わない原因が「親のあつかい方にある」場合
- 相性が合わない原因が「子どもの性格にある」場合
- 相性が合わない「原因が分からない」場合
相性が合わない原因が「親のあつかい方にある」場合のその対処法:3つ
兄弟・姉妹の相性がよくない原因は、子どもの性格や好みのちがいだけではありません。
親の子どもに対する接し方に原因があり、兄弟・姉妹の相性が悪くなってしまうこともあります。
親は同じように育てているつもりでも、子どもの方からすると、同じではないと思っているためです。
兄弟・姉妹の立場によってあつかい方がちがい、子どもは不満や不公平さを感じているのです。
むずかしいかもしれませんが、子どもの立場になって、思い返してみると…何か思い当たることがあるかもしれません。
【対処法1】親は兄弟・姉妹を平等にあつかいましょう
- 「お兄(姉)ちゃん」を使わずに、名前で呼びましょう。
- 「お兄(姉)ちゃん」という立場に、役割を押し付けないようにしましょう。
- 「お兄(姉)ちゃんだから…」という理屈を使わないようにしましょう。
子どもが、親から平等にあつかわれていないと感じることから、お互いの相性が悪くなることがあります。
「お兄(姉)ちゃんだから…」というフレーズ、よく使ってしまいますよね。
呼ぶときに使うことは問題ありませんが、「お兄(姉)ちゃんだから」という使い方で、役割を押し付けてしまうのは、好ましくありません。
「お兄(姉)ちゃんだから、あなたは我慢しなさい」
「お兄(姉)ちゃんだから、下の子にゆずってあげなさい」
親は、思わず言ってしまうことがあるでしょう。
親にとっては何気ないことでも、日常生活でくり返されることによって、子どもに不公平さを植え付けてしまいます。
そのうちに、立場によってあつかいがちがうことで、子どもは不満に感じてくるでしょう。
お兄(姉)ちゃんは、「なぜ自分ばっかりが我慢するんだ」と嫉妬(しっと)する気持ちになり、弟(妹)は自分の思い通りになることが当然だと思い、わがままな態度になるでしょう。
日常生活の小さな不満の積み重ねによって、お互いの存在がうっとうしくなってくるのです。
【対処法2】親は兄弟・姉妹を比べないようにしましょう
- 子どもそれぞれのよいところを見付けましょう。
- 子どもができるようになったこと、頑張ったことに共感しましょう。
- 一人だけをほめるのではなく、兄弟・姉妹いっしょにほめてあげましょう。
親が、兄弟・姉妹のあいだで差をつけると、お互いの立場に優越がうまれ、相性に影響します。
下の子が、何かできるようになると親は「すごいね!頑張ったね!」とほめてしまいます。
上の子からすると、「自分だって同じことができるのに、どうしてほめてくれないの」と比べられることに不満を持つようになるでしょう。
反対に、同じ年齢のときに上の子はできたことが、下の子ができないことがあります。
「お兄(姉)ちゃんは、じょうずにできていたのに」と言ってしまうこともあるでしょう。
親が、兄弟・姉妹のあいだで比べてしまっていることが、子どもの優越感と劣等感につながってしまいます。
劣等感を持った子どもの方は、相手に嫌悪感すらもつようになるかもしれませんね。
【対処法3】親は兄弟・姉妹ケンカを無理やり終わらせないようにしましょう
- 兄弟・姉妹のケンカで、どっちかが悪いと決めつけないようにしましょう。
- ケンカをしたお互いの言い分を聞いてみましょう。
- 解決策をいっしょに考えてみましょう。
小さいうちは、普段から仲がよくても兄弟・姉妹のケンカは、起こるものです。
親は、ケンカを終わらようと仲裁することがありますが、仲裁の仕方が兄弟・姉妹にしこりを残してしまうことがあります。
親は、ケンカの原因もお互いの言い分も聞くことなく、強制的に終わらせようとするのはよくありません。
上の子が我慢しないから悪い、下の子が叩くから悪いと、決めつけてしまうことも好ましくありません。
よかれと思って仲裁したことが仲裁にならずに、お互いにわだかまりを残すことになります。
お互いに残ったわだかまりが、不快な気持ちになり、相手のことが気に食わないと思ってしまうのです。
相性が合わない原因が「子どもの性格にある」場合の対処法:3つ
兄弟・姉妹で、性格や好みがまるっきりちがい、仲がよくもなく、悪くもなくということがあります。
お互いに距離があり、かかわり合いが少ないといった方がいいかもしれません。
【対処法1】家族みんなでイベントを楽しみましょう
- 家族みんなでお出かけをして、いっしょに楽しみましょう。
- 誕生日など家族の行事を大切にしましょう。
兄弟・姉妹が行きたがっていた場所に、家族みんなでお出かけすることをおススメします。
もしかしたら、どちらか片方は興味が持てずに、楽しめないこともあるかもしれません。
おもしろく感じなかったとしても、「こんなことに興味があるのか」と分かったことでしょう。
少しは相手のことを理解するきっかけになるかもしれません。
ほかにも、いっしょに料理をしたり、キャンプをしたり、家族みんなが同じことをして楽しむのもいいですね。
家族の誕生日、何かの記念日、入学(園)や卒業(園)といった、特別な行事を家族みんなで共有することもおススメします。
ポジティブな気持ちになれる家族がいることで、兄弟・姉妹のかかわり方がちがってくるでしょう。
誰かに祝ってもらう、励ましてもらう、ねぎらってもらうことは、嬉しいものですね。
家族の雰囲気も良くなります。
【対処法2】兄弟・姉妹だけで協力する機会をつくりましょう
- 兄弟・姉妹だけでの状況にしてみましょう。
- 兄弟・姉妹で協力しなければならない状況を作ってみましょう。
たとえば、兄弟・姉妹だけで留守番をさせたり、料理をいっしょに作ったりといった経験をさせることをおススメします。
(もちろん、子どもの年齢によってはむずかしいこともあります。)
普段、いっしょに何かをするということがない兄弟・姉妹には、ピッタリかもしれません。
お互いに黙ったままでは、何も進みません。
同じ目標に向かって、協力しながら進めようとすることが大事なのです。
会話するきっかけがあるだけで、お互いの距離がぐっと近くなるはずです。
【対処法3】親が兄弟・姉妹の中にまじって遊んでみましょう
- 親が兄弟・姉妹といっしょに同じ遊びをして楽しみましょう。
- 兄弟・姉妹の中に仲間意識を持たせましょう。
たとえば、トランプやUNOをしたり、人生ゲームをしたりと兄弟・姉妹でいっしょに遊ぶ楽しさを経験することをおススメします。
一人で遊ぶことばかりに慣れてしまっている兄弟・姉妹には、向いているかもしれません。
兄弟・姉妹だけでは遊ぼうとはしないので、親が子どもたちを誘ってみるといいですね。
兄弟・姉妹はお互いに一人ではないという気持ちをもつことで、少しづつ打ちとけるようになるでしょう。
兄弟・姉妹でいっしょに遊ぶと楽しいと経験することで、お互いに仲間意識が芽生えてきます。
相性が合わない「原因が分からない」場合の対処法:1つ
【対処法1】子どもから話を聞いてみましょう
- 親が兄弟・姉妹から話を聞いてみて考えてみましょう。
兄弟・姉妹の相性が合わない原因が、親の接し方でもなく、子どもたちの性格や好みでもないという場合はあるかもしれませんね。
まずは、子どもたちから話を聞いてみることからはじめましょう。
相性が合わないということは、お互いに何か思っているところがあるということです。
それぞれの子どもの言い分や気持ちを吐き出してもらい、しっかりと受け止めてあげましょう。
不満に感じるところや嫌いなところ、許せないところが誰に対してあるのか。
もしかしたら、両親に対して納得がいかないことがあるかもしれません。
冷静に双方から話を聞き、解決する方法を考えていきましょう。
どちらかの肩をもつことなく、話をきいてあげるだけでも気持ちが晴れるかもしれませんね。
大人になっても兄弟・姉妹の相性がよくない場合の対処法
【対処法】大人になってからは慎重に判断しましょう
- 現状より悪くならないように付き合いましょう。
- ある程度距離を保ったまま、付き合いを続けましょう。
- 先入観をもたずに、割り切って付き合いましょう。
- 子どもの頃の嫌なことやもめごとは忘れるように心がけましょう。
子どもの頃からの関係を引きづって、大人になっても相性がよくないことがあります。
お互いの結婚や親の介護など、兄弟・姉妹を取り巻く環境は変化していきます。
大人になれば、それぞれの立場も価値観も変わっていきます。
どのように付き合っていくのかは、その都度、慎重に判断することをおススメします。
思い切って、積もり積もった気持ちをお互いに話してみるということも必要になるかもしれません。
感情のぶつかり合いにならないように、冷静に話し合いをすることを心がけましょう。
まとめ
同じわが子にうまれてきた兄弟・姉妹。
親は「兄弟・姉妹は仲よくなければいけない」「仲よくしなさい」と思い込んでしまいがちです。
兄弟・姉妹にはそれぞれ、性格や好みがあり、相性が合わないこともあります。
無理やりに仲よくさせようと思わずに、親は子どもひとりひとりに寄り添うことが大切です。
2021年7月現在の情報です。
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