「自立できない子ども」って、自立できる子どもと何がちがうのかしら?
将来、自立できない子どもになってしまったら…と不安になります。
どうしたらいいのでしょか?
こういった悩みにお答えします。
子どもは、学校を卒業すると社会人となり、いずれは一人で生活をしはじめ、親もとからはなれていきます。
子どもは、経済的にも精神的にも自立して「親離れ」をし、親は「子離れ」します。
親は、こどもにいつかは巣立っていってほしいと願っているものですよね。
一方で、社会人になっても、親と同じ家に住んで生活している人もいます。
お金を稼いでいても、経済的にも生活面でも、親がめんどうを見ていることがあります。
子どもが自立することなく、親もとからはなれていかないのです。
なぜ、自立できない子どもになるのでしょうか。
ここでは、自立できない子どもの特徴や自立できない子どもに足りないものについて解説していきます。
また、自立できない子どもと親の関係についてもまとめてみました。
自立できない子どもについて
いくつになっても、親もとからはなれない子どもがいます。
社会人として自立してもよい年齢になっても、自立できない子どもには特徴があります。
◆ 自立できない子どもの特徴:4つ
- 親が希望する通りの人生(生活)を送っている
- 親と同居し、親が経済的な負担をしている
- 親が食事や洗濯など、子どものめんどうをみている
- 子どもの頃から変わっていない生活スタイルを送っている
自立できない子どもは、親とのかかわりが深いといえます。
わが子のことを心配するあまりに、親が先回りをして、幼少期から手を差し伸べてしまいます。
先を予測することがむずかしい子ども代わって、親が失敗や危険をさけるような手助けをしてきたのです。
小さいころからそれが当たり前になると、子どもは親のアドバイスにしたがうようになります。
親が選んだ道を、疑問をもつことなく送るようになってしまうのです。
自立できていない子どもは、親と同居し、生活費だけではなく、生活面までめんどうをみてもらっています。
子どもが自分でお金を稼いでいてもいなくても、親がお金を出してくれるのです。
親がご飯やお弁当を作ってくれたり、洗濯をしてくれたり、掃除してきれいにしてくれます。
幼少期から変わらない生活スタイルで、大人になっても生活できているのです。
親も子どもも、年数がたっているにもかかわらず、小さいころから同じような生活を送っているのが大きな特徴です。
学習机やベッドなど、子どもの頃から変わっていない状態の子ども部屋に住んでいる、といった傾向もみうけられます。
◆ 自立できない子どもに足りないもの:3つ
- 自分で考えること
- 自分で行動すること
- 自分で問題を解決すること
自立できない子どもは、自分のことなのに、自分で判断することも決めることもできません。
「高校を受験する前に、どこの高校を受験するのか?」ということを例にして説明します。
どこの高校に行きたいのか?
大人になったら、自分は何になりたいのか?
自立できる子どもの考え方
子どもは子どもなりに、自分の将来について真剣に考え、志望校を決めようとします。
↓↓↓↓
自分で決めることで、自信をもって自分の人生を進んでいきます。
自立できない子どもの考え方
子どもは自分で考えずに、親に相談し、親が子どもの進路や志望校を決めようとします。
↓↓↓↓
自分で決めずに、親が決めた人生を進んでいきます。
親が、子どもの世話やめんどうを見てくれる生活が当たり前になり、自立する機会から遠ざかります。
子どもは、親が何でもしてくれることで、とても居心地がよく過ごすことができます。
「自分で何もしなくてもよい」という、苦労のない生活から抜け出そうとは思わなくなってしまうのです。
これが当たり前になってくると、「自立したい」という自分の意志を持つことがなくなってしまいます。
親がいないと自分の生活が成り立たないからです。
子どもは何か問題が起こったとき、「どうしたらいいのか?」と考えなくても、生活することができてしまいます。
自分が考えるかわりに、親がベストな方法を考えて決めてからです。
こうして考える力が乏しくなり、子どもは、自分の力で行動にうつすこともできなくなってしまうのです。
◆ 自立できない子どもは主体性が乏しいです
自分で考える力がないまま大きくなってしまうと、判断力がなく、自分の意志がない大人になってしまいます。
社会人になると、自分で考えて判断したり、行動したりしなければいけないことが多くなります。
自立できない子どもは、考える力が乏しく、どのように判断したらよいのかが分かりません。
社会人として、仕事をやり遂げることがむずかしいと感じてくるようになります。
責任感がないということにもつながります。
自立できない子どもは、社会では生きづらい傾向にあります。
自立できない子どもと親の関係と原因について
◆ 自立できない子どもと親は共に依存してます
自立できない子どもと親は、お互いに依存し合っています。
親は、子どものためにという思いで行動しつづけ、「わたしがいないとこの子は生活できない」と無意識のうちに思い込んでしまいます。
反対に、子どもは「親がいないと生活できない」と状況になってしまうのです。
お互いがお互いに、いなくてはならない存在だと信じ込んでしまい、依存した関係から抜け出せなくなってしまいます。
親が必要以上に干渉しすぎて、子どもの自我をつみ取ってしまうことが問題なのです。
もちろん、子どものことを大切に思い、子ども中心の生活を送ることはまちがったことではありません。
◆ 自立できない子どもの大きな原因は親の「過干渉」
自立できない子どもの一番の原因は、親の「過干渉」です。
親は、わが子のためと思い、予想される危険なことや失敗しそうなことを取りのぞこうとします。
転ばぬ先の杖を出しすぎてしまうのです。
例:【石につまずいく ⇒ ころぶ ⇒ ころぶとけがをする ⇒ けがすると痛い】
石につまずいて痛い経験をすると、子どもは歩くときに、何かにつまづかないように注意するようになります。
子どもは、自分の経験から、自分で判断して行動できるようになるのです。
過干渉の親は、けがをして子どもが痛い思いをしないように、子どもが通る道の石をすべて取りのぞこうとします。
親は、「子どものために」と思って行動しています。
くり返されることによって、子どもは「親がやってくれる」ことが当たり前になり、親を頼りきってしまうのです。
限度を超えた子どもへの干渉は、自立のさまたげになります。
親が石を取り除くのが間に合わず、子どもが転んでしまったとすると、どうなるでしょう。
「なんでやってくれなかったのか、転んだのは親のせいだ」
と子どもは親を責めるかもしれません。
過干渉とは?
引用:Weblio辞書
必要以上に関与すること。一般的な限度を超えて関わること。過剰に干渉すること。主に親の子に対する干渉を指す語として用いられる。
子どもを自立させるために親ができること:2つ
経済的にも精神的にも、いつまでも親が子どものめんどうを見つづけることは、むずかしいです。
「子離れ」とはいっても、すぐに子どもを突き放すことはなかなかできませんよね。
少しづつでよいので、子どもが自立できるように背中を押してあげましょう。
◆ 親と子どもの生活を少しづつ切りはなしていきましょう
同じ家に生活していても、親と子どもの生活を切りはなすことが必要です。
親が子どもの生活に干渉しすぎると、「自分の力で生活してみよう」という気持ちさえ持たなくなります。
親がなんでもやってくれた方が、子どもにとっては楽ですよね。
最初はできないことがたくさんありますが、子どもに少しづつ行動させることが大事です。
子どもは行動し、できることが増えると、自分の行動に自信を持つようになります。
親が子どもに少しづつ行動させることが、自立への一歩です。
気になって心配になるかもしれませんが、親は子どもが一人で生活できるようにサポートしていきましょう。
◆ 子どもと適度な距離を保ちましょう
自立できない子どもは、親との距離が近すぎるので、少しづつはなしていくことが必要です。
親と子が、お互いにいなくては生活が成り立たないと思い込んでいるためです。
一般的には、成長とともに親と子どもの距離は、少しづつはなれていきます。
精神的な自立は、幼少期からのつみかさねがあり、子ども自身から自立していこうとするのです。
子どもの生活や言動を親が決めずに、子どもが自分で決めるようにアドバイスしてみましょう。
日常生活の小さなことや、かんたんなことからはじめると、取り組みやすいです。
親は、こんなことできるのかと不安になるかもしれませんが、「大丈夫だよ、かんたんだよ」と励ますと、子どもは行動にうつしやすくなります。
子どもが行動にうつすことが怖いと思わせないように、ポジティブな声かけを心がけましょう。
子どもが自分で決めたことを行動にうつすことが大事です。
子どもができることを増やしながら、親と子どもとの距離を少しづつはなしていきましょう。
まとめ
親にとって、子どもがいつでも頼ってくれるのはうれしいものです。
しかし、子どもが自立できないまま家に住みつづけてしまうと、お互いにとって思わしくない結果につながります。
その後の子どもの人生にも、大きな影響を与えてしまいます。
子どもの自立は、子どものためでもあり、親のためでもあります。
親は子どもの成長を見守りながら、子どもを自立へとみちびいくように心がけましょう。
2021年6月現在の情報です。
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