ネットって危険なことがたくさんあるから、子どもがスマホで何かトラブルにあわないか心配…
子どもが夜遅くまでスマホを使っているみたいで、朝、なかなか起きれないんだよね。
子どものスマホに制限をかけたほうがいいと思うけど、どうしたらいいのか分かりません。
こういった悩みにお答えします。
「子どもがゲームに課金して、何万円も支払った」
「子どもがネットで知り合った人と、実際に会った」
スマートフォン(以下「スマホ」)のトラブルを聞くたびに、お子さんにスマホを持たせることに、親は不安を感じてしまいますよね。
スマホは便利な反面、お子さんがトラブルに巻き込まれる危険があります。
また、スマホの使いすぎは、子どもの体調や成績にも影響する恐れもあります。
ここでは、スマホのトラブルや子どものスマホに制限をかける方法について分かりやすくまとめてみました。
子どもが巻き込まれるスマホのトラブルについて
スマホは、危険性をしっかりと理解した上で、正しく使うことができればとても便利なものです。
しかし、気づかないうちに巻き込まれてしまうスマホのトラブル。
親が知らないところで、子どもが事件や犯罪に巻き込まれたり、いじめにつながることがあります。
親は、子どもがスマホを持つことに不安感や抵抗感がありますよね。
ここでは、どのようなスマホのトラブルがあるのかについてまとめてみました。
外部からのスマホトラブル:5つ
- 有害サイトや成人向けサイトへのアクセス
- 個人情報が漏洩する
- ワンクリック詐欺にひっかかる
- アカウントを乗っ取られる
- コンピューターウィルスに感染する
このようなトラブルは、サイトへのアクセスや子どもが使えるアプリを親が管理することで回避できます。
友達や企業などになりすまして、詐欺サイトへ誘導するワンクリック詐欺もあります。
子どもには、ワンクリック詐欺や巧妙な手口のフィッシングの仕掛けがあることを教えておきましょう。
また、不審に思うようなメッセージなどが届いた場合には、自分で解決せずに親にかならず相談するように伝えておきましょう。
子どものスマホは、OSやセキュリティソフトの更新を忘れずに、安全な環境にしておくことも重要です。
スマホをお子さんに与えっぱなしにしてはダメですよ。
日ごろから冷静に対応すること、用心することを心がけるように伝えておきましょう。
子どもに悪影響を与えるスマホトラブル:4つ
- スマホの使いすぎによる依存症
- ゲームへ課金する
- 歩きスマホ・自転車スマホ・ながらスマホでの事故
- ネットでのSNSいじめ
親が一方的にスマホの使い方を強要するのではなく、スマホの使い方や家庭でのルールをお子さんといっしょに話し合いましょう。
その上で、休止時間やアプリの利用時間上限を設定すると、親子でのトラブルにもなりません。
ゲーム好きなお子さんであれば、「課金をしたい」と言われることも出てくるでしょう。
コンビニなどで買えるプリペイドカードは、上限が決まっていますので、ゲームへ高額な課金ができません。
無制限に課金することができない仕組みになっています。
プリペイドカードは、子どもが「課金する」ことを意識しながら使うことで、コントロールできる力が身につきます。
おこづかいの範囲で、プリペードカードを使うのも一つの方法ですね。
ながらスマホでの事故は、子どもが加害者になることも考えられます。
事故の代償は、はかりしれません。
そのような危険性が日常にあること、そのためにどうするべきかを子どもにもしっかりと教えておきましょう。
SNSいじめは人目につきにくく、親が発見することが難しいものです。
お子さんの日々の様子やスマホの使い方で何か変化や違和感を感じたら、まずはお子さんと話し合ってみましょう。
お子さんのスマホを制限する方法は「ペアレントコントロール」
「ペアレントコントロール」は、子どものスマホに制限をかける方法です。
ペアレントコントロールを利用することで、スマホの使い方を制限し、ネットの危険からお子さんを守ってくれます。
スマホでのトラブルに巻き込まれる心配も少なくなります。
ペアレントコントロールについて親が正しく理解し、親が制限や管理をすることで、お子さんがスマホを安全に使うことができるのです。
ペアレントコントロールができるもの:おすすめ3つ
ペアレントコントロール機能が充実しているものが、以下の3つです。
それぞれに、設定方法や管理方法、使える機能などにちがいがあります。
- キャリア携帯会社が提供している「あんしんフィルター」
- Appleが提供しているiPhone(iPad、iPod touch)の「スクリーンタイム」
- Googleが提供している「Googleファミリーリンク」
ぼくがおすすめするのはこの3つです。
これ以外にも、ペアレントコントールできるアプリはありますよ。
「ペアレントコントロール」と「フィルタリング」とのちがい
ペアレントコントロール(parental controls)
引用:Wikipedia
ペアレントコントロールとは、子供によるパソコンや携帯電話・スマートフォンやゲーム機などの情報通信機器の利用を、親が監視して制限する取り組みのことである。
フィルタリング(filtering)
引用:総務省
フィルタリングは青少年を違法・有害情報との接触から守り、安心して安全にインターネットを利用する手助けをするサービスです。
ペアレントコントロールは、親がお子さんのスマホの使用方法を制限したり、管理したりすることです。
parental controls…
英語の意味がそのままという感じですね。
親がお子さんのスマホを管理することで、使用時間を設定したり、アプリや課金に制限を設けることができます。
フィルタリングは、違法・有害なサイトへのアクセスと遮断することであり、ペアレントコントロール機能の一部ということになります。
インターネットの世界は、お子さんがトラブルに巻き込まれるようなことがたくさんあります。
ペアレントコントロールを使うことで、親はお子さんのスマホと上手に付き合っていきましょう。
ペアレントコントロール:「キャリア携帯会社のあんしんフィルター」(無料)
「あんしんフィルター」とは?
キャリア携帯会社が無料で提供している機能
対象は、Android・iPhone
携帯電話会社は、2018年2月からスマホの使用者が青少年である場合は、原則としてフィルタリングサービスを提供する義務が課せられています。
「あんしんフィルター」で管理できること:おもに5つ
管理できること | |
---|---|
フィルタリングレベル | 小学生 中学生 高校生 高校生プラス |
使用するアプリ | 許可・制限 |
利用時間の設定 | スマホやアプリが使える時間帯を親が設定できます |
利用時間の確認 | スマホの利用時間を親が確認できます |
位置情報の確認 | お子さんの位置情報を親が確認できます |
「あんしんフィルター」の設定方法
あんしんフィルターを利用するには、アプリのインストールが必要です。アプリは無料です。
親が管理者となり、親のスマホでお子さんに合った使い方を設定します。
カスタマイズ方法、iPhoneとAndroidでの設定など、各携帯電話会社によってちがいます。
各キャリア携帯会社のサイトにてご確認ください。
- au:あんしんフィルター for au(申し込み不要)
- NTTdocomo:あんしんフィルター for docomo(申し込み不要)
- Softbank:あんしんフィルター(申し込み必要)
- Ymobile:あんしんフィルター(申し込み必要)
- UQmobile:あんしんフィルター for UQ mobile(申し込み必要)
ペアレントコントロール:iPhone「スクリーンタイム」(無料)
「スクリーンタイム」とは?
Appleが無料で提供している機能
対象は、iPhone、iPad、iPod touch
iOS 12(2018年)から「スクリーンタイム」機能が追加され、ペアレントコントロールがより便利で使いやすいものになりました。
iPhoneを何回持ち上げたか、通知を何回受け取ったか…など親がこまかく確認できますよ。
ちょっとこまかすぎですよね。
「スクリーンタイム」で管理できること:おもに7つ
◆ Webサイトのアクセスを制限する
iPhone標準ブラウザ「Safari」やアプリなどで、成人向けコンテンツへのアクセスを制限できます。
「無制限にアクセス」「成人向けwebサイトを制限」「許可されたwebサイトのみ」の3つから選ぶことができます。
◆ iPhone休止時間の設定
お子さんのiPhoneの休止時間を設定できます。
休止時間帯は、親が許可したアプリだけしか使うことができません。
スマホを使わない時間を作ることで、スマホ依存を防止する効果がありますね。
◆ アプリの使用時間の設定
お子さんが使用するアプリの使用時間の上限を設定できます。
「YouTubeは1日あたり〇分または〇時間」など、アプリごとの使用時間を、こまかく設定することができます。
◆ iTunes StoreやApp Storeからのインストールを制限する
お子さんがアプリをインストール(アンインストール)することを制限できます。
アプリのインストールを許可した場合は、年齢制限(レーディング)を設定することができます。
「4歳以上」「9歳以上」「12歳以上」「17歳以上」「すべてのAppを許可」の5つから選ぶことができます。
YouTubeは、Appストアでは「17歳以上」という基準になっています。
意外と年齢基準が高いですよね。
アプリの対象年齢は、Appストアで確認することができますよ。
◆ アプリ内の課金を制限する
お子さんがアプリ内の課金を出来ないように設定できます。
お子さんに人気のゲームアプリはたくさんありますよね。
ついついゲームに夢中になりすぎて、知らずに課金してしまうので危険です。
◆ 通信・通話を管理する
利用時間帯や休止時間帯にやりとりできる相手を管理できます。
電話、Face Time、メッセージなどの連絡先に適用できます。
◆ 標準のアプリや機能を制限する
標準のアプリや機能でも、制限することができます。
親が許可したアプリだけが、お子さんのスマホのホーム画面に表示されます。
App Storeを非表示の設定にしておくと、勝手にアプリをインストールできませんよ。
この6つ以外にも、連絡先の変更やカメラ機能など、こまかく制限を設定することができます。
お子さんの使用状況をチェックしながら、状況に応じて判断しましょう。
「スクリーンタイム」の設定方法
スクリーンタイムは、親が管理者となり、親のスマホとお子さんのスマホでの設定が必要です。
アプリをインストールする必要はありません。
設定するときに必要なのが「4桁のパスコード」。
パスコードを設定することで、お子さんが勝手にiPhoneの制限機能を解除したり、変更したりすることが出来ません。
4桁の組み合わせは、10,000通りです。
お子さんにばれてしまわないように、誕生日など分かりやすい数字は避けましょうね。
ペアレントコントロール:「Googleファミリーリンク」(無料)
「Googleファミリーリンク」とは?
2018年からGoogleが無料で提供している機能
管理する親のスマホはiPhoneまたはAndroidが対象、お子さんのスマホはAndroidのみ対象
iPhoneを持っているお子さんは、残念ながら、Googleファミリーリンクを利用することができません。
「Googleファミリーリンク」で管理できること:おもに6つ
◆ WebサイトのアクセスやGoogleの検索結果を制限する
成人向けコンテンツへのアクセスを制限できます。
「すべてのサイトを許可」「成人向けのサイトを可能な限りブロックする」「特定のサイトのみを許可」の3つから選ぶことができます。
Googleの検索結果も、性表現や暴力的コンテンツが除外されるように制限できます。
Googleの検索を「セーフサーチ」に設定しておきましょう。
◆ 休止時間の設定
お子さんのスマホの休止時間を設定できます。
スマホを使わない時間どのくらい設定するのかは、お子さんとしっかり話し合いましょう。
◆ スマホやアプリの使用時間の設定
お子さんのスマホの使用時間、使っているアプリの使用時間を設定できます。
「LINEは1日あたり〇分または〇時間」など、アプリごとの使用時間を、こまかく設定することができます。
LINEのグループトークが深夜まで続くという話はよく聞きますよね。
◆ Google Playからのインストールを制限する
アプリを購入やインストールすることを制限できます。
親の承認がなければ、お子さんがアプリの購入やインストールすることができません。
アプリやゲームをインストールする場合は、「3歳以上」「7歳以上」「12歳以上」「16歳以上」「18歳以上」の5つの年齢制限があります。
YouTubeは、「13歳以上」(App Storeは17歳以上)という基準になっています。
13歳未満であれば、YouTube Kidsですね。
アプリの対象年齢は、Goole Playで年齢は確認できます。
Google Playで検索できるコンテンツも指定することもできます。
◆ 子どもの現在位置が確認できる
「お子様の位置情報の確認」を有効化すると、子どもの現在位置を確認できるようになります。
お子さんが迷子になった時や、お迎えに行く時に非常に便利な機能です。
◆ 子どものスマホをロックする
子どものスマホを瞬時にロックできます。
遠隔操作ができますので、万が一、子どもがスマホを紛失した場合に、ロックすることで勝手に使われないようにできます。
「Googleファミリーリンク」の設定方法
Googleファミリーリンクは、親が管理者となり、親のスマホとお子さんのスマホでの設定が必要です。
Googleファミリーリンクを利用するには、親は「保護者向け Google ファミリー リンク」、お子さんは「お子様向け Google ファミリー リンク」というアプリが必要です。
親とお子さんとそれぞれのスマホにアプリをインストールします。アプリは無料です。
年齢によって、初期設定の手順がちがいます。
◆ お子さんが13歳未満の場合
日本では、Googleアカウントを作ることできるのは13歳以上です。
13歳未満(小学生以下)はGoogleアカウントを作ることができないため、親のGoogleアカウントに結び付けて子アカウントを使うことになります。
◆ お子さんが13歳以上の場合
お子さんが13歳以上になると、自分でGoogleアカウントを作ることができ、管理できるようになります。
お子さんが、自分でファミリーリンクの設定を変更することができるようになります。
13歳以上になる前に管理者である親にメールが届きますので、どのように設定するのかを決める必要があります。
13歳以上になってももちろん、今までの制限をそのまま適用することもできますよ。
まとめ
子どものころにスマホがなかった親世代。
スマホの管理については初心者ですので、親がペアレントコントロールやフィルタリングについて正しく理解することが大事です。
ペアレントコントールを設定することで、親が安心してお子さんにスマホを使わせることができます。
親が一方的に管理・設定するのではなく、「なぜペアレントコントロールで管理するのか、フィルタリングの制限が必要なのか」を伝えることも必要です。
これからのIT時代に必要な能力を身につけるためにも、お子さんといっしょにスマホの使い方のルールを話し合うことから始めてみましょう。
2021年5月現在の情報です。
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