子育てって費用がかかりますね…
大学卒業するまで、子育てにはどのくらいのお金がかかるのですか?
こういった悩みにお答えします。
小学校も中学校も義務教育だから、そんなにお金はかからないのかな。
私立高校の授業料って高そうだな。
お金の問題、特に子育てにかかる費用は親であれば気になるものですよね。
今、貯蓄しているペースで大丈夫なのか、なんとなく不安にもなることでしょう。
子どもが産まれてから、大学卒業するまでの22年間。
いったいどのくらいのお金がかかるのでしょうか。
ここでは、0歳から22歳までを成長ステージにわけて、子育ての費用についてくわしく解説します。
また、子育ての費用をコツコツと貯めておく方法を3つ紹介します。
備えあればうれいなし!です。
子育てに必要なお金は『教育費』と『養育費』の2つ
子育てにかかるお金といえば、幼稚園や保育園にかかる保育料や、学校に支払う教育費が思いつきますよね。
教育費は、子どもが高校や大学を卒業するまで必要です。
教育費以外にも、子どもが生活するためには、食費や生活用品などがかかります。
子育てに必要なお金は、内閣府「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」によると、「養育費」と「教育費」の2つに分けることができます。
- 衣類
- 食費
- 生活用品費
- 医療費
- 保育費(幼稚園や保育所の保育料)
- 子どもの携帯電話料金
- おこづかい
- お祝い行事関係費
- 子どものための預貯金・保険
- レジャー・旅行費
- 学校教育費(給食費や学級費など)
- 学校外教育費(学習塾や家庭学習の問題集や参考書など)
- 学校外活動費(学習塾以外の習い事の月謝など)
子育ては、高校や大学を卒業するまで、20年近くはつづきます。
当然、子どもを育てるのにお金は必要ですが、いったい総額でいくらかかるのかは想像しにくいものです。
公立か私立か、中学受験をするのか、大学受験をするのかといった、子どもの進路によっても教育費はかわってきます。
ここからは、成長ステージごとの子育てにかかるお金について、くわしく解説していきます。
【徹底解説】0歳から6歳まで|約736万円
◆ 0歳から6歳までの子育て費用|6年間で7,363,460円(内閣府調査)
年齢 | 養育費 (年間/円) | 教育費 (年間/円) | 合計 (年間/円) |
---|---|---|---|
0歳 | 931,246 | 0 | 931,246 |
1歳 | 878,040 | 0 | 878,040 |
2歳 | 942,715 | 0 | 942,715 |
3歳 | 1,040,577 | 0 | 1,040,577 |
4歳 | 1,197,116 | 0 | 1,197,116 |
5歳 | 1,158,523 | 0 | 1,158,523 |
6歳 | 1,215,243 | 0 | 1,215,243 |
平均すると、年間100万円程度はかかっています。
0歳から3歳あたりまでは、生活費があまりかからないこともあり、将来のために貯金をしている家庭が多いことが特徴です。
0歳から6歳までは、教育費はありませんが、保育費は必要です。
1歳過ぎからは、保育所にあずけるための保育費が増えてきます。
3歳を過ぎると、幼稚園に入園する子どもが多くなることから、保育費が占める割合が高くなります。
2019年から幼児教育・保育の無償化の制度がスタートし、幼稚園や認可保育所などで利用費がかからなくなりました。
内閣府の調査時である2010年(平成22年)には、なかった制度です。
保育費に関しては、現時点のほうが安くなっていることが想定されます。
◆ 公立幼稚園と私立幼稚園のちがい|年間約30万(文科省調査)
文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」を参考として、公立と私立の保育費をくらべてみます。
- 公立幼稚園の保育費:年間223,647円
- 私立幼稚園の保育費:年間527,916円
幼稚園は、約65%が私立幼稚園です。
公立幼稚園と私立幼稚園では、年間約30万円のちがいがあります。
文科省の調査時である2018年(平成30年)にも、幼児教育・保育の無償化の制度はありませんでした。
次回の調査には反映される予定になっています。
認可保育園などの保育料は、住んでいる自治体や世帯の所得額、子どもの人数によってちがってきます。
保育園の保育料は個人差が大きく、くらべることはむずかしいです。
【徹底解説】小学生の子育て費用|約696万円
◆ 小学生の子育て費用|6年間で6,959,594円 (内閣府調査)
学年 | 養育費 (年間/円) | 教育費 (年間/円) | 合計 (年間/円) |
---|---|---|---|
小学1年生 | 837,190 | 274,892 | 1,112,082 |
小学2年生 | 803,726 | 256,065 | 1,059,791 |
小学3年生 | 854,179 | 276,918 | 1,131,097 |
小学4年生 | 841,120 | 310,968 | 1,152,088 |
小学5年生 | 879,243 | 356,240 | 1,235,483 |
小学6年生 | 879,062 | 389,991 | 1,269,053 |
平均すると、年間100万円以上はかかっていますが、未就園児からの変化はあまり見うけられません。
小学生になると、保育費ではなく、学校にかかわるお金として教育費が必要になってきます。
教育費には、学習塾や家庭学習で必要な「学校外教育費」と、習い事の月謝などの「学校外活動費」の2つあります。
学習塾などの「学校外教育費」は、学年が上がるにしたがって高くなっていきます。
学習塾などへ通わせている、教育に熱心な家庭が多いことがわかります。
小学校1年生では67,443円でしたが、6年生になると189,783円、3倍近くにふえます。
中学受験するのかしないのかによって、「学校外教育費」にかかるお金は大きくかわります。
◆ 公立小学校と私立小学校のちがい|年間約127万(文科省調査)
文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」を参考として、公立と私立の教育費をくらべてみます。
- 公立小学校の教育費:年間321,281円
- 私立小学校の教育費:年間1,598,691円
公立小学校と私立小学校では、年間約123万円のちがいがあります。
私立小学校の割合は1.2%です。
ほとんどの小学生は、公立小学校に通学しているものと考えられます。
【徹底解説】中学生の子育て費用|約467万円
◆ 中学生の子育て費用|3年間で4,671,196 円 (内閣府調査)
学年 | 養育費 (年間/円) | 教育費 (年間/円) | 合計 (年間/円) |
---|---|---|---|
中学1年生 | 962,039 | 565,834 | 1,527,873 |
中学2年生 | 1,004,551 | 526,970 | 1,531,521 |
中学3年生 | 957,853 | 653,949 | 1,611,802 |
平均すると、年間150万円から160万円程度です。
中学生になると、部活動にかかわる費用が必要になります。
制服などの学用品もそろえるため、教育費は小学生のときよりもかかります。
学習塾などの「学校外教育費」は、学年が上がるにしたがって高くなっていきます。
中学校1年生では175,136円でしたが、3年生になると358,197円、2倍近くにふえます。
高校受験対策として、学習塾にかよう中学生が多くなります。
中学生の時期は、食費が年間30万円以上かかるようになります。
たくさん食べるようになりますね、さすが成長期です!
◆ 公立中学校と私立中学校のちがい|年間約92万(文科省調査)
文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」を参考として、公立と私立の教育費をくらべてみます。
- 公立中学校の教育費:年間488,397円
- 私立中学校の教育費:年間1,406,433円
公立中学校と私立中学校では、年間92万円とかなりのちがいがあります。
私立中学校の割合は7.6%です。
ほとんどの中学生は、公立中学校に通学しているものと考えられます。
【徹底解説】高校生の子育て費用|公立:約426万円/私立:約578万円
内閣府によるインターネットによる子育て費用に関する調査の対象は、中学校3年生までです。
高校生の養育費に関する調査がありません。
高校生の子育て費用は、教育費に重点をおいた文科省「平成30年度子供の学習費調査」をもとに解説します。
◆ 高校生の子育て費用|公立426万円/私立578万円 (内閣府と文科省調査)
養育費 (年間/円) | 教育費 (年間/円) | 合計 (年間/円) | 3年間合計 | |
---|---|---|---|---|
公立高校 | 957,853(※) | 457,380 | 1,415,233 | 4,245,699 |
私立高校 | 957,853(※) | 969,911 | 1,927,764 | 5,783,292 |
引用:内閣府平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査
文部科学省平成30年度子供の学習費調査の結果
公立高校と私立高校では、年間約51万円のちがいがあります。
私立高校の授業料や学校納付金は、公立高校の2倍かかります。
私立高校の割合は30.5%です。
◆ 高校生の子育て費用|大学に進学する場合の注意点
高校卒業後の教育費は、子どもの進路によって大きくちがってきます。
子どもが就職するのであれば、高校を卒業したあとの教育費は必要なくなります。
大学に進学するのであれば、4年以上(学部によっては6年)の教育費がかかります。
大学の進学率は、53.3%です。
大学を受験する場合には、高校3年生のときに受験費用も必要です。
予備校にかようとなれば、塾代に加えて、夏期講習などの費用もかかります。
ほかにも、模試や受験料、受験のために交通費や宿泊費などを用意しておきましょう。
大学に進学する場合は、前もって教育費を準備しておく必要がありますね。
子育てには、予想外な出費もつきものです。
【徹底解説】大学生の子育て費用|国立約609万円/公立約574万/私立約813万円
大学生の子育て費用は、生活費と学費を調査している独立行政法人日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査」をもとに解説します。
◆ 大学生の子育て費用|国立約609万円/公立約574万/私立約813万円(日本学生支援機構)
生活費 (年間/円) | 学費 (年間/円) | 合計 (年間/円) | 4年間合計 | |
---|---|---|---|---|
国立大学 | 885,500 | 637,700 | 1,523,200 | 6,092,800 |
公立大学 | 768,000 | 666,700 | 1,434,700 | 5,738,800 |
私立大学 | 659,700 | 1,373,900 | 2,033,600 | 8,134,300 |
この費用は、自宅通学、下宿やアパートの学生をふくめた平均金額です。
一番安い公立大学と一番高い私立大学では、年間約60万円のちがいがあります。
授業料は、国公立大学は年間約50万円ですが、私立大学の年間約122万円です。
私立大学の授業料は、国公立大学とくらべると約2.4倍となっています。
大学4年間の子育て費用は、家庭がすべてを負担しているわけではありません。
生活費や学費の全額、もしくは一部を負担している割合は、家庭の事情によってちがいます。
大学生になると、アルバイトをして生活費をまかなったり、奨学金で学費をカバーしたりすることができます。
大学4年間の子育て費用は、家庭によってさまざまです。
ぼくも、大学生のときは家庭教師のアルバイトをしていましたよ。
◆ 大学生の子育て費用|自宅通学か下宿やアパートか
自宅 | 学寮 | 下宿・アパート・その他 | |
---|---|---|---|
国立大学 | 33.8% | 6.5% | 59.7% |
公立大学 | 43.8% | 2.9% | 53.3% |
私立大学 | 64.5% | 6.1% | 29.4% |
大学は、自宅から通学できる学生と、寮、下宿やアパートを借りる学生がいます。
子どもが自宅から通学できる場合は、当然、生活費はあまりかかりません。
ひとり暮らしをする場合は、家賃や食費などをふくめた生活費が必要となってきます。
大学生になって、はじめて一人暮らしを経験しました。
お金はかかりましたが、自分にとってはいい経験をしたかなと思っています。
0歳から大学卒業までの子育て費用|総額約3000万円
成長ステージ | 金額 |
---|---|
0歳から6歳の6年間 | 7,363,460 |
小学生の6年間 | 6,959,594 |
中学生の3年間 | 4,671,196 |
0歳から中学3年生までの15年間の合計 | 18,994,247 |
成長ステージ | 国立の 合計金額 | 公立の 合計金額 | 私立の 合計金額 |
---|---|---|---|
高校生の3年間 | ー | 4,245,699 | 5,783,292 |
大学生の4年間 | 6,092,800 | 5,738,800 | 8,134,300 |
0歳から中学卒業までは、18,994,247円かかることになります。
中学卒業後は、進学先が国公立か私立か、大学は自宅通学できるかどうかによって子育てにかかわる費用が大きくかわってきます。
中学卒業後、高校と大学が公立の場合が一番安く、約3000万円。
高校と大学が私立の場合が一番高く、約3200万円。
子どもの進路よってもかわりますが、子育て費用は、総額で3000万円程度はかかるという算出になります。
どうやってためる?子育てに必要なお金を貯める方法:3つ
大学卒業まで約3000万円程度かかるという結果になりましたが、すぐにこの費用が必要になるというわけではありません。
子育て費用は、中学生から大学生にかけて負担が大きくなります。
また、きょうだいがいれば、さらに子育て費用は増大します。
どの時期に負担が大きくなるということが分かっていれば、子どもが小さいうちから備えておくことができます。
教育費が必要になるときを見越して、貯蓄をはじめておくと安心ですね。
◆ 児童手当を貯蓄しておきましょう
児童手当は、0歳から中学卒業するまでのあいだ、支給されます。
0歳から3歳未満までは、子どもひとりにつき15,000円、3歳以上からは10,000円です。
ただし、第3子以降は小学校卒業まで15,000円です。
児童手当の支給額には、所得制限があります。
所得制限の限度額以上の所得があれば、子どもひとりにつき5,000円になります。
児童手当は、1年に3回支給されます。
児童手当を全額、もしくは一部を貯蓄にまわすということも、ひとつの方法です。
毎月5,000円を15年間ためておくと、90万になります。
低金利ですので利率はよくありませんが、中学卒業まで貯蓄しておくと高校に進学するときには役に立つはずです。
子ども名義の口座を作って、子どもの通帳にそのまま貯蓄しておく方法もあります。
そうすると、生活費とまざる心配がありません。
◆ 学資保険を利用しましょう
学資保険とは、子どもの学資金を準備するための貯蓄型保険です。
学資保険は、毎月決まった額の保険料を払い、子どもが進学するための準備金や満期学資金を受け取ることができます。
さらに、親(契約者)に万が一のことがあった場合、その後の保険料が免除になったり、保障がそのまま継続され、学資金を受け取ったりすることができます。
確実に貯蓄できますので、自分でコツコツとためることが苦手な方にはおススメです。
学資保険は、子どもが小さいうちに加入しておけば、保険料が安くなります。
ただし、途中で解約してしまうと、払い込んだ保険料が下回ることがありますので、注意しておきましょう。
◆ つみたてNISAを検討しましょう
つみたてNISAとは、長期で資産を運用してくれる投資積立です。
積立投資というのは、積立定期と同じように、口座から自動的にお金が引き落とされます。
引き落としたお金で、少しずつ投資信託を買い、利益を得ることができる仕組みになっています。
つみたてNISAには、税の面で大きなメリットがあります。
利益には通常、20.315%の税金がかかりますが、年間40万円までであれば非課税になります。
また、非課税で投資できる期間は最長20年、長期でメリットを受けることができます。
教育費を準備する期間が長ければ、つみたてNISAを検討することもひとつの方法です。
積立投資はすぐに成果がでませんので、長い間コツコツと続けることが大事です。
まとめ
子どもが産まれてから、大学を卒業するまでにかかるお金を算出してみました。
自分のお子さんにかかる費用がいくらになるのか、参考にしてください。
子どもが大きくなればなるほど、進学や教育にかかるお金がふえていきます。
子どもの意思や希望はかなえてあげたいのが、親心です。
そのためには、必要になるお金をしっかりと計算し、計画的に準備しておきたいものです。
2021年8月現在の情報です。
内閣府:平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査
文部科学省:平成30年度子供の学習費調査の結果
文部科学省:平成30年度学校基本統計(学校基本調査報告書)
文部科学省:高等学校教育の現状について
独立行政法人日本学生支援機構:平成30年度学生生活調査
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