小さい子どもにスマホを見せる『スマホ育児』ってやっぱりよくないのかしら?
なんとなく後ろめたく感じてしまい、不安です。
こういった悩みにお答えします。
スマホやタブレット端末を育児に利用することを『スマホ育児』といいます。
お出かけ先などで、スマホの画面に夢中になっている子どもを見かけることがありますよね。
さわいでいた子どもが、スマホを見せるとおとなしくなることもあります。
スマホ育児に対しては、いろいろな意見があり、世代によって考え方もちがいます。
子育て世代では、スマホを子どもに見せることに抵抗があると答えた母親は、「76.4%」です。
その反面、週に1回以上スマホを使っている子どもは、「42.1%」となっています。
(ベネッセ教育総合研究所 第2回乳幼児の親子のメディア活用調査(速報版)2017年10月)
ここでは、育児にスマホを利用すること、スマホ育児のデメリットやメリットついてまとめてみました。
また、子どもにスマホを使わせるときのポイントについて解説しました。
気になる!どんなときに『スマホ育児』をやっているの?
◆ 『スマホ育児』とは育児にスマホやタブレットを使うこと
『スマホ育児』とは、小さい子どもにスマホやタブレット端末のアプリや動画など機能を使わせることです。
たとえば、スマホに知育アプリをインストールすると、子どもがひらがなや数字を学ぶことができます。
生活習慣を身につけることができるアプリもあります。
日常生活には欠かせない便利なスマホですが、子どもにスマホを使わせるのはよくないのでは?と思ってしまう傾向があります。
スマホ育児に後ろめたさを感じてしまう親が多いようです。
親は、子どもがスマホを使うのは悪いことだという意識がどこかにあるようです。
これは、スマホ育児をすることで、子どもの体や心の発達になにか悪い影響があるのではないか、など不安に思ってしまうためです。
◆ 気になる!どんなときにスマホを使ってる?
スマホを使うとき | 2017年 | 2013年との比較 |
---|---|---|
1位:外出先での待ち時間 | 33.7% | 3.2%増 |
2位: 子どもが使いたがるとき | 29.7% | 1.4%増 |
3位: 子どもがさわぐとき | 23.5% | 6.5%増 |
4位: 自動車、電車などで移動しているとき | 21.6% | 0.4%増 |
5位: 親が家事で手がはなせないとき | 15.2% | 7.8%増 |
親が子どもにスマホを使わせることが多いのは、「外出先での待ち時間」です。
お出かけ先や買い物、病院、外食のときなど、親はおとなしくしてほしいと思ってしまいますよね。
まわりに迷惑をかけられないという気持ちから、ついついスマホなどに頼ってしまうことが分かります。
「うるさい」と言われないように気を使っているのでしょう。
「子どもがさわぐとき」や「親が家事などで手がはなせないとき」は、2013年とくらべると5%以上増えています。
「子どもが約束を守ったとき」と、スマホを使うことをごほうびとしている家庭もあります。
やはり、スマホは親にとっても子どもにとっても欠かせない便利な道具になってきています。
◆ こどもにスマホを使わせる?使わせない?
スマホは便利で、生活の必須アイテムになっています。
母親のスマホの所持率は92.4%、スマホをもっていることが当たり前になっています。
スマホを育児に利用するかしないか、子どもに使わせるかどうかは、いろいろな考え方があります。
スマホは、子どもが産まれたときから、身近にあるのが当たり前の生活です。
小学校でも、プログラミング教育が必修化になり、子どもからデジタル機器を遠ざけることはむずかしくなりました。
子どもにスマホなどのデジタル機器をまったく使わせないというのは、今の時代に即していないのかもしれません。
しかし、子どもに好きなようにスマホを使わせたほうがいいというわけではありません。
親は、スマホを育児にどのように利用して、どう付き合っていくのかを考える必要があります。
知ってくべき!『スマホ育児』のデメリットとメリット
スマホを育児に利用するにあたって、メリットもあればもちろんデメリットもあります。
親がメリットとデメリットをしっかり理解して、バランスをとりながらスマホを利用することが大切です。
◆ スマホ育児のデメリット:4つ
- スマホ依存になる可能性がある
- 親子のコミュニケーションが不足する
- 運動不足になりやすい
- 視力が低下する可能性がある
スマホの一番のデメリットは、使いすぎてしまうことです。
使いすぎることによって、子どもがスマホを手放せなくなるということがあります。
時間を忘れるほど使ってしまい、スマホ依存になる大人がいるくらいです。
自分で時間管理ができない小さい子どもにとっては、なおさら心配なことです。
子どものスマホの利用時間は、親がしっかりと管理しなければなりません。
子どもがスマホを使う時間が増えると、親子で遊ぶ時間や話す時間が少なくなってしまいます。
親子のコミュニケーションが不足しがちになります。
同じ家のなかにいても、親子で話すことが少なくなると、子どもの言葉の習得などに影響が出ることがあります。
スマホを見るときは、同じ姿勢になってしまい、あまり動きません。
また、外で遊ぶ時間が少なくなってしまうことで、運動不足になることもあります。
小さいうちは、体を動かすことでさまざまな動作を身につけ、丈夫な体をつくるためにも必要なことです。
子どもがスマホの小さい画面を見つづけることは、目に負担がかかり、疲れてしまいます。
スマホの使い方によっては、子どもの視力に影響が出ることも考えられます。(諸説あります)
スマホは、明るい場所で、適度な休憩をとりながら使わせるようにしましょう。
◆ スマホ育児のメリット:4つ
- 親のストレスが軽減する
- ひらがな・数字・英語などの知識が習得できる
- 生活習慣が身につく
- 疑似体験ができる
子どもは、親の言うとおりにはならないことがたくさんあります。
言葉が通じない1歳~2歳は、自由に歩き回ったり、要求がとおらないと泣きつづけたりと、親の手がかかってしまい大変な時期です。
親がどうすることもできず途方にくれたとき、手いっぱいの状態のとき、スマホに救われることがあるでしょう。
スマホを使うことによって、親の育児ストレスが軽くなるのです。
スマホは使い方によって、親の味方になってくれる存在です。
スマホには、子どもが遊びながら楽しく学ぶことができる、知育アプリがあります。
ひらがなや数字、英語の発音などを学ぶことができます。
知育アプリを使うことで、新しいことをどんどん吸収することができ、子どもの興味も引き出してくれます。
知育アプリと同じように、歯みがきやお着替え、トイトレなどの生活習慣が身につくアプリもあります。
歯みがきを嫌がる子どもに、毎日させるのは親のストレスがつみ重なってしまいます。
子どもが自主的に歯みがきにできるようになるのであれば、スマホを利用するのも悪くないですね。
スマホの動画やビデオ通話などを使って、疑似体験ができます。
「オンライン帰省」というのも、そのひとつ。
コロナ禍でなかなか会えないおじいちゃんやおばあちゃんに、スマホごしに会えるというのもうれしいものです。
『スマホ』をじょうずに使えばママの強い味方に
◆ 【重要なポイント】スマホを子どもに渡しっぱなしにしないこと
- スマホを子どもに渡しっぱなしにしないこと、与えっぱなしにしないこと
- スマホをかってに使わせないこと
スマホを子どもに使わせるときは、親がしっかりと管理することが必要です。
小さい子どもは、自分で自分のことをコントロールする力がそなわっていません。
インターネットの知識がなく、経験も少ないことから、自分で判断する力もありません。
子どもは、動画やゲームに夢中になりすぎて、時間がどのくらい経ったのか分からなくなります。
知らないうちにゲームで課金したり、不適切なサイトに接続する恐れもあります。
親が管理せず、子どもにスマホを与えっぱなしにすることが一番危険なのです。
スマホは便利な道具ではありますが、スマホを子どもに自由に使わせると、デメリットばかりになってしまいます。
スマホ育児がネガティブにとらえられてしまうのは、デメリットの影響が大きいためです。
逆に、スマホを育児にじょうずに利用すれば、メリットを受けることができます。
スマホは、適切な使い方をすることで親も子も頼れる存在になるでしょう。
◆ 家庭のルールや約束をしっかりと決めましょう
- スマホを使う時間を決める
- 利用するアプリを決める
- 利用する場所を決める
- ながらスマホはさせないようにする
- 子どもにかってにスマホを使わせないようにする(ロックをかける)
スマホを育児にじょうずに利用するためには、親が管理したうえで、ルールや約束が必要です。
一番大事なことは、スマホを使う時間や利用するアプリ、利用する場所などを決めておくことです。
いつでもどこでもスマホにたよってしまうと、子どもはスマホを手放すことができなくなってしまう恐れがあります。
スマホを使う時間は、親が管理することが望ましいです。
利用するアプリも、子どもに合っているかどうか、親が考えて選んであげましょう。
まだ言葉が分からない年齢は、ルールを守ることや、子どもと約束することがむずかしいです。
「あと〇分ね」といい聞かせても、子どもには分からないでしょう。
「スクリーンタイム」(iOSの場合)などの設定で、利用できる時間に制限かけることができます。
各社携帯電話会社は、親が管理したり、コントロールができる機能を紹介しています。
使える機能をコントロールすることで、親は子どもに安心して使わせることができます。
動画などは、見はじめると楽しくて、次へ次へと見はまってしまいがちです。
子どもが動画を見おわったらそのつど、話しかけてみると切り上げるきっかけにもなります。
子どもの関心をそらすためにも、子どもが楽しそうに見ていた動画の感想や、内容などを聞いてみるのもいいかもしれませんね。
親も子も、ストレスなくスマホを使うことができるような、子どもにとっても分かりやすいルールや約束を考えてみましょう。
ルールや約束の内容は、子どもの年齢やそれぞれの家庭によってもちがってきます。
子どもは親の姿をよく見ています。
親も子どもの前で、スマホの使いすぎには注意しましょう。
まとめ
『スマホ育児』は、ルールや約束をした上で、親が管理して使わせるのであれば、問題ありません。
親が、「ここまでならOK」という基準をしっかりと決めましょう。
過度なスマホの使用、スマホを子どもに渡しっぱなしにすることはよくありません。
『スマホ育児』には、メリットもデメリットもあります。
スマホは使い方によっては、メリットが大きくなったり、デメリットの影響を受けてしまうものです。
親は、子どもに合ったスマホの使い方を考えて、スマホとじょうずに付き合っていきましょう。
2021年7月現在の情報です。
内閣府:令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査結果(速報)令和2年3月
ベネッセ教育総合研究所:第2回乳幼児の親子のメディア活用調査(速報版)2017年10月
ベネッセ教育総合研究所:第2回乳幼児の親子のメディア活用調査 2017年10月
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