小学校でプログラミング教育がはじまったようなのですが、どんなことを勉強するのですか?
「プログラミング教室」という言葉をよく聞きます…
プログラミングの習い事、はじめた方がいいのかな?
プログラミングを習うメリットとデメリットって何ですか?
こういった悩みにお答えします。
2020年から、小学校で『外国語』と『プログラミング教育』が必修化しました。
それにともなって、子どもがタブレット端末などを学校から持ち帰ってきたり、授業でパソコンを使ったという話を聞いたりします。
親世代にはなかった『プログラミング教育』
プログラミング教育ってどんな授業なの?と、親は不思議に思ってしまいますよね。
さらに、プログラミング教育がはじまる前から『プログラミング教室』という習い事も、耳にするようになりました。
プログラミングを子どもに習わせる必要があるのかどうか。
親自身が分からないこともあり、どうしたらよいのか悩んでしまいますよね。
ここでは、小学校ではじまったプログラミン教育の内容と、プログラミング教室を学ぶことについてまとめてみました。
また、プログラミング教室のメリットとデメリットについても、解説しました。
小学校ではじまった『プログラミング教育』とは?
◆ プログラミング教育の目的:3つ
2020年から、小学校で『プログラミング教育』が必修化しました。
- 「プログラミング的思考」を育てること
- コンピューターを活用して、問題を解決し、よりよい社会を作ろうとする意欲を育てること
- コンピューターを活用して、それぞれの教科の理解を深めること
プログラミング教育の目的は、3つあります。
プログラミング教育においての一番の目的は、「プログラミング的思考」を育てることです。
「プログラミング的思考」とは、起こってしまった問題に対して適切な方法を自分で考え、解決できるように行動することです。
解決できる最善の方法を考え、順序よく組み立てるといった、論理的な思考のことをいいます。
さらに、コンピューターを使って何ができるのか、社会をよくするためにはどうすればいいのか。
将来をになう子どもたちにとって、コンピューターのはたらきについて考えることが大切になってきます。
授業中、教科書に書かれた文字や先生の説明だけでは、分からないことってありますよね。
解説された動画などを見て、疑似体験することで、子どもたちは「なるほど!」とすぐに理解できるようになります。
もちろん、プログラミング教育とは、動画を見るだけではありません。
プログラミング教育をとおして、より理解が深まったり、教室の中だけでは分からなかったことが体験できたりします。
小学校でのプログラミング教育は、子どもたちを取り巻く環境と将来のために必要なものだと考えられています。
◆ 小学校で学ぶプログラミング教育
- 「プログラミング教育」という教科はない
- 「教科書・技能テスト」はない
- 「成績・評価」はつかない
- プログラミング言語など専門的なことは習わない
プログラミング教育は、2020年からはじまった「外国語」のような教科ではありません。
指定された教科書やテストもなく、成績や評価もつきません。
プログラミング教育という教科ではなく、ほかのすべての教科とセットにしておこなわれます。
ただし、どの学年でどの教科で、何をするのかは学校に任せられています。
全国どこの小学校でも、積極的にプログラミング教育を取り入れているとは言い切れません。
プログラミング教育の取り組みは、地域差もあり、学校によってちがうというのが現状です。
わたしたちの生活には、コンピューターが多く活用されており、コンピューターなしの生活は成り立ちません。
子どもたちの身近にあるコンピューター。
コンピューターの技術は、日々、進歩しています。
子どもたちには、コンピューターについて知識を深め、使いこなせる技能が必要になってくるでしょう。
プログラミングはあえて習わなくても大丈夫!
◆ 学校の授業のためにプログラミングを習う必要はありません
小学校では、プログラミング教育という教科はありません。
プログラミング教育は、算数などのいろいろな教科に取り入れられ、進められています。
プログラミング教育の導入にともなって、「プログラミング教室」といった、新しいジャンルの習い事が増えてきています。
親としては、プログラミング教室にかよわせた方がいいのかと焦ってしまいますよね…
「学校のプログラミング教育についていけるかどうか心配」という理由で、プログラミングの習い事をはじめる必要性はあまりありません。
学校の授業で学ぶ内容と、プログラミング教室で学ぶ内容はちがいます。
学校の授業のことを不安に感じて、プログラミングの習い事をしなければ…と気をもむことはありません。
◆ プログラミングを習ったほうがよいケース
パソコンやタブレット、スマホなどに使い慣れている親であれば、子どもに聞かれたことを教えてあげることができるでしょう。
それだけで十分です。
小学校でのプログラミング教育は、プログラミング言語を学ぶといった専門的なことを教えるものではありません。
子どもたちの身のまわりにある、パソコンやタブレットなどを使うことができるというレベルで大丈夫です。
むしろ、スマホなどの使い方は子どもたちのほうがよく知っていることがありますよね。
親がパソコンを使うことに苦手意識があり、どうしてもムリだと思うのであれば、子どもにプログラミングを習わせてもよいかもしれません。
プログラミング教室とはいっても、すぐに専門的なことを習いはじめるということはないので、安心してください。
初心者であればキーボードのタイピングや、基本的な操作方法から習いはじめます。
使いはじめれば、子どもはすぐに器用に使いこなすことができるでしょう。
逆に、子どもからパソコンについて、習うことができるかもしれませんね。
プログラミング教室の月謝や対象年齢について
◆ プログラミング教室ではどんなことを学ぶの?
プログラミング教室は、レベルに合わせてさまざまなカリキュラムが用意されています。
初心者であれば、入門コースで基本的なことを学びます。
タイピングやマウス、タブレットの使い方などからはじまります。
レベルが上がってくると、専門的なプログラミングことを学ぶようになります。
Scratch(スクラッチ)を使ったプログラミング、ロボットを組み立てるプログラム、ホームページやウェブブラウザで動作するプログラミング言語といった、幅広いカリキュラムがあります。
タブレットやパソコンで、プログラミングを体験するカリキュラムになっています。
Scratch(スクラッチ)は、Scratch財団がマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ ライフロングキンダーガーデングループ(MIT Media Lab Lifelong Kindergarten Group)と共同開発する、8〜16才のユーザーをメインターゲットにすえた無料の教育プログラミング言語及びその開発環境である。
引用:Wikipedia
◆ プログラミング教室の月謝や年齢について
- 月謝(対面式):10,000円前後 ※入会金や教材費が必要な場合もあり
- 年齢:幼児や小学校低学年から高校生くらいまで
- 回数:週1~
プログラミング教室の月謝は、スイミングなどと比べると少し高めになっています。
教室によっては、入会金や教材費などが必要な場合もあります。
プログラミング教室は、先生のお話を聞いて、自分で考えながら進めていきます。
同じ教室のメンバーとも、分からないことを話し合うこともあります。
先生の指示が理解でき、パソコンやタブレットをある程度、使うできるようになる年齢が望ましいでしょう。
教材の文字が読めるようになる、年長から小学校低学年くらいからはじめる子どもが多いようです。
◆ プログラミング教室の学習方法
プログラミング教室は、『対面式学習』と『オンライン学習』の2つの方法があります。
オンライン学習のほうが、対面式学習と比べると、安いです。
自宅に送られてくる教材を使いながら、オンラインでレッスンを受けることができます。
最近では、地方でも対面式のプログラミング教室がふえてきています。
2020年には、教室の数が1万以上になり、今後もふえ続けていくようです。
どちらも、無料で体験できるところが多いので、気になる教室があれば体験することをおススメします。
なかには、市民パソコン教室や、無料で開催されているプログラミング教室もあります。
プログラミングについてのサイトも充実しており、自宅での独学にはなりますが、無料で学ぶこともできます。
◆ ロボット教室もあります
『ロボット教室』もしくは『ロボット・プログラミング教室』というものがあります。
ロボット教室では、自分で試行錯誤ながら、ロボットを完成させます。
製作した自分だけのロボットを、さまざまな動きができるようなプログラミングを学びます。
ロボットをつくりあげる達成感、つくったロボットを自分が考えたとおりに動かすことができるよろこび。
ロボット教室では、ものづくりの楽しみを学ぶことができます。
工作やブロック、プラモデルなどをつくることが好きなお子さんは、夢中になるかもしれませんね。
プログラミングを習うメリットとデメリット
◆ プログラミングを習うメリット:5つ
- プログラミングについてくわしくなる
- プログラミング的思考が身につく
- パソコンやタブレットなどの機器が使いこなせるようになる
- 自分で考えたことが実現できる達成感を味わうことができる
- 子どもの将来の可能性が広がる
プログラミング教室では、小学校ではあまりふれることがない、プログラミングの知識や仕組みについてくわしく学ぶことができます。
パソコンやタブレットなどのデジタル機器も、苦手意識をもつことなく、効率的に使えるようになるでしょう。
プログラミングを習うことで、プログラミング的思考を自然と身につけることができます。
自分が実現したいことに対して、どのように考え、最適な方法はどれなのか。
社会に出てからも問われる対応力であり、プログラミング的思考が身につくことは、子どもにとって将来、役に立つスキルでもあります。
パソコンを使いこなし、専門的な知識、論理的に考える力を身につけることで、子どものキャリアの幅が広がるでしょう。
◆ プログラミングを習うデメリット:3つ
- ほかの習い事と比べて月謝が高い
- パソコンなどを使う時間が増える
- 遊び感覚だけで終わってしまうことがある
スイミングなどほかの習い事と比べると、1万円前後と月謝が高めです。
月謝のほかにも、入会金や教材費も必要な教室があります。
回数やレッスンの受講時間も、教室によってもちがいがあります。
オンライン学習のプログラミング教室のほうが対面式と比べると、安くなっています。
その分、親のサポートが必要なことも出てくるでしょう。
プログラミングの習い事は、パソコンやタブレットを使ってレッスンをするため、当然、デジタル機器を利用する時間が増えてしまいます。
熱中するあまりに、子どもが延々とにやってしまうことがあります。
親であれば、目の疲れや視力は気になるところですね。
時間を制限したり、適度な休憩を入れることも必要です。
ゲーム好きな子どもは、プログラミングを習うことが遊びの延長になってしまい、スキルが身につかないことがあります。
内容がむずかしくなってくると、興味がなくなってしまい、続かないこともあります。
ゲームが好きだからといって、プログラミング教室が合うとはかぎりませんね。
プログラミング教室だけではなく、どの習い事も子どもが興味を持って、楽しいと感じることが一番大事です。
まとめ
2020年から小学校で始まった「プログラミング教育」
2021年には中学校で、2022年には高校でプログラミング教育が必修化します。
2024年度には、大学入学共通テストにプログラミングをふくむ「情報」が受験教科として採用されることが決まっています。
親世代が経験しなかったものが、子どもの教育にどんどん取り入れられています。
自分たちが経験したことがないものは、ついつい避けたくなってしまうもの。
敬遠しがちになってしまいますが、プログラミング教育について正しく理解をすることも大切です。
まちがった情報に流されずに、自分の子どもにとってプログラミングを習うことが必要かどうかを考えるきっかけになればと思います。
2021年7月現在の情報です。
総務省:子供向けプログラミング教育の現状に関する調査研究の請負成果報告書
文科省:小学校プログラミング教育に関する概要資料
文科省:小学校プログラミング教育の手引(第三版)令和2年2月
GMO Internet Group:2021年 子ども向けプログラミング教育市場調査
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