医者になって知ったこと|医者のデメリット10個

医者のデメリット10個

医者は給料もいいし、肩書もいい。特にデメリットはないのじゃないかって思いますよね。
長い目で見ると、医者という職業にデメリットはほぼないと僕は思っています。

そのぐらい医者という職業は日本で生きていく上では最強の仕事と思っているからです。

ですが、一般的に考えたらこれはデメリットだなということを10個記事にまとめてみました。

目次

1.責任が重大すぎる

医者は病気の人を治療できる唯一の仕事です。

裏を返せば、患者さんの命を救う、守る責任があります。
この時点で、責任が大きいことは分かってもらえると思います。

また、僕が専門にしている精神科では、患者さんの生き方、人生に触れることもあります。
心というデリケートな問題に関わるので、こちらも責任重大です。

時に責任が大きすぎると感じることもあるので、デメリットにしてみました。

2.肉体的に大変すぎる

医者の仕事はとてもハードです。

特に研修医、若手時代はとにかく早く一人前の医者にならないとという焦りもあり、僕は朝早くから夜遅くまで病院にいることは当たり前でした。
それに処置も早く身につけたいという気持ちから病院に泊まり込むこともありました。

加えて、当直業務もあります。

医者は当直をした後、次の日も勤務日ならそのまま勤務になります。休む暇はなく、ちょっとした合間に椅子に座って仮眠をとるぐらい、なんてことも日常茶飯事です。

外科医などは当直の次の日に手術があることも当たり前です。
僕の経験からすると、当直業務の翌日に帰ることのできる病院は知りません。

若手の時代が過ぎ、医者になって数年すると今度はある程度の仕事は一人でできるようになってきます。
この時は仕事量が増えてきたり、治療が難しい患者さんの担当をすることもありやっぱりハードです。

タフじゃないと医者は務まらないと思うかもしれませんが、医者を続けているといつの間にかタフになっていたりします。

3.精神的に大変すぎる

責任が重大で、肉体的にも大変な医者の仕事。
精神的にも大変な時があります。

精神的に辛くなるのは、患者さんや家族からクレームを受けたりする時。

どれだけ誠意を尽くしても、人間同士の相性もあるので難しい問題です。

4.医者になった時は挫折の日々

知識ではなく実技の面は、医者になってから身につけます。

医学部生の時に少しは採血や縫合などは学びますが、実際の現場で行うものとは雲泥の差です。

そして、医者の大事な仕事である患者さんの病気の診断、検査、治療も教科書どおりにいかないケースも多く、研修医や若手医師の時期は毎日が自己嫌悪です。

5.治療が失敗することもある

病気を治すことを目指して治療をしますが、どれだけ頑張っても結果が良くないことがあります。
物事に「絶対」ということはない、とわかっていますが、自分の無力さに向き合った時は落ち込みますし、慣れることはありません。

6.税金が高い

勤務医や開業医と医者の中でも給料の違いはありますが、一般的に考えて医者の給料はそれなりにあります。

働いている病院や地域によって給料は異なりますが、1000万円以上の年収の医師は多いといわれています。
給料が高ければ、その分税金も高くなります。所得にかかる累進課税の税率も高く、収める税金はもちろん高くなります。

税金は気づかれにくく、高所得者から収めさせるものが多いため、実のところ医者が使える自由なお金はそれほど高くありません。

ふるさと納税は医者にとって救いです。

7.退職金がない

医者の世界に退職金という概念はほとんどありません。

なぜなら、医者は同じ病院で長く働くケースがあまりないからです。そして、医者という職業に定年もないので退職金をもらうという考えがあまりありません。

同じ職場で働き続けることの多い公務員や会社員は退職金で数千万円、と聞くこともありますが、医者の世界でまとまった退職金をもらう人のほうが少ないと思います。

医者は年収、年俸で契約されることが多いので、ボーナスをもらうという経験も少なかったりします。実際、僕も世間では何月にボーナスをもらっているのか知りません。

8.医局の人事に人生が左右される

「白い巨塔」というドラマは知っていますか。
大学病院の様子を上手に表現したドラマです。僕も好きなドラマの一つです。

大学病院は『臨床・教育・研究』を行っており、若手の医者、特に専門性を高めたい医者は医局に所属することが多いです。

医局に所属することで、自分自身のスキルアップを目指したりするからです。

裏を返せば、医局の指示に従わないといけない場合も生じます。

それぞれの地域の中心にある大学病院は、地域の病院に医者を派遣し、地域の医療の質を保っていたりもします。そのため、医局の人事で転勤になったり、単身赴任をしないといけなくなったりすることもあります。

9.自分の時間、家族との大切な時間が犠牲になる

どの仕事でも自分の時間、家族との時間が削られることはありますが、医者の場合は緊急的な呼び出しや当直など、さらに自分の人生で大切にしたい時間が削られる可能性が高いです。

身内が死んでも、自分は仕事にいかなくてはいけない、といったことも珍しくはありません。僕が今まで勤めてきた病院は、医者同士が助け合うことが多かったので、本当に緊急の用事の時はお互い様といった形でなんとか事なきを得ることができました。

ですが、勤めている病院によっては自分や家族との大切な時間や思い出を犠牲にして働いている医者も多くいます。

10.ご飯を食べるスピードが早くなる

医者の仕事も勤務開始時間と終了時間は『一応』あります。お昼休憩の時間も『一応』あります。

しかし、患者さんが急変した、予期せぬことが起きた、ということは医療の現場では珍しいことではありません。

医者にしかできないことも多く、ゆっくりランチタイムをとっていることなんてできないのです。

そのため、お昼ご飯は食べることができる時に食べる、なるべく早く食べる、といった習慣が身についてしまうので、オフタイムの時も気をつけないとあっという間にランチタイムが終わってしまいます。

同じような問題で、医者は当直をすることが多く、夜中に呼び出された時に寝ぼけていることはできませんので、寝ていても起こされるとすぐに目が覚めてしまうといったこともあります。

記事を書いている人
  • 子どものやる気を引き出す関わり方
  • 親子関係の改善
  • 子どもと親のサポートをよくしてます
  • 精神科医歴10年以上
  • 児童相談所アドバイザー

よろしく
お願いします

まとめ

実際に医者になって知った『医者のデメリット10個』をまとめてみました。

デメリットとしてまとめてみましたが、本音としては医者をしていてこれらはそれほどデメリットと感じたことはありません。それよりも医者という仕事のやりがいやメリットのほうがはるかに大きいからです。

今回の記事で医者の世界を少しでも知ってもらえたら嬉しいです。

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